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My kombucha journey

初めての日本語でのブログです。

今回は最近、日本人の方からよく聞かれるコンブチャの作り方について書いていきます。

まず、コンブチャ(紅茶キノコ)とは何か。

基本的な構成要素と、なぜこれほど私たちの住むイギリスで人気のある飲み物になったのか

そして、コンブチャの生きた微生物と腸の健康への潜在的な影響、そしてより楽しむ為に覚えておくべき大切なこと、その後コンブチャの醸造を始める方法、最初の重要なステップであるSCOBY(バクテリアと酵母の共生培養体)の作り方、いかに簡単に培養できるかをご説明します。

材料や道具から段階ごとのプロセスまで、ご自身のコンブチャを醸造するための詳細なレシピと二次発酵方法、さらにカビのようなコンブチャ作りの時に起こりうる失敗例についてもお伝えしていきます。

最後には醸造後のSCOBYを次の醸造まで保存する方法をご説明し、さらに浸漬後に残ったフルーツを使った簡単なレシピ、その他考えられる利用方法をお伝えします。

コンブチャとは

コンブチャは、紅茶、砂糖、そしてSCOBY(Symbiotic Culture Of Bacteria and Yeast:バクテリア(酢酸菌)と酵母の共生培養体(菌株))と呼ばれるバクテリアから作られる発酵飲料で、栄養豊富で飲みやすいことが人気の理由です。

数年前くらいから英国のスーパーマーケットや地元の市場でよく見られる様になりました。はじめ名前を聞いた時、 ”昆布茶?” と思ったら全然違う物でした。最近日本でも人気が高まっているようなので、飲んだことのある方や自宅でコンブチャを作ったことがある方もいるかもしれませんね。私の母曰く、70年代に”紅茶キノコ”として日本で流行っていた時期があり、私の祖母も家庭で作っていたそうです。

コンブチャの健康上の利点

コンブチャは発酵飲料なので、生きた微生物が含まれています。

発酵過程で生成された乳酸菌のおかげで、腸をきれいにする効果があるそうです。

私もコンブチャを飲むことでそれを感じることが多々ありました。特に、食べ過ぎてしまって胃の中の消化があまり追いついていない時など。

それゆえに、コンブチャを初めて飲む人は、少し不快感を感じる人もあるかもしれません。少しずつ飲んで様子を見てみましょう。

飲み過ぎも消化不良が起きる可能性もあるので、コンブチャに慣れている方も気をつけたほうが良さそうです。私は多くても一日に150ml程度を2回飲みます。

気をつけていただきたい注意点

特に気を付けていただきたいのが、少量のカフェイン含有量、酸度、細菌の汚染の可能性から、妊娠中や授乳中の人、小さい子供など免疫力が弱い人が毎日コンブチャを摂取するのは避けたほうがいいそうです。お医者さんに相談してみましょう。また、発酵時に発生するごく微量のアルコール(0.5%以下)がお酒を飲まない方は少し感じられることがあるそうなので、こちらも気をつけて頂きたいです。

私がコンブチャ醸造を始めたきっかけ

以前スーパーに売っている既製品のコンブチャを飲んだことはあったのですが、あまり好きな味ではなくて、それっきりリピートすることもなく、自分で作ろうとも思いませんでした。

そんな時、ロンドンに住む母の友人を訪ねる機会があって、

そこで自家製コンブチャを振る舞ってくれたのですが、それがシュワシュワでさっぱり、甘さもちょうど良くてとても美味しくてコンブチャのイメージが変わりました。

その家庭では小学生の子供たちもお父さんの作るコンブチャが大好きで、家族みんなで楽しんでいるようでした。

家庭で作る発酵食品に興味があるので、彼に大体の作り方を教えてもらい、自宅でSCOBYを作るためにコンブチャを少し分けてもらい帰宅。早速SCOBYを作りました。

SCOBYの作り方

SCOBY作りはとても簡単。

新鮮なコンブチャ(約200ml以下)を用意して、煮沸殺菌したガラス瓶(私はボンヌママンのジャム瓶を使いました)に注ぎ、清潔な布(ガーゼや手ぬぐい)で覆い、小さな虫やホコリが入らないようにゴムで閉じます。

直射日光の当たらない暗所に常温で保管します。

数週間で、その時の温度にもよりますが、最初の小さなSCOBYが形成されます。

私の場合は涼しい(寒いに近い?)イギリスの秋で約3週間かかりましたが、夏(この記事を書いている時期など)の暖かさでは、この期間が大幅に短縮されると思います。

(日本の夏では28℃の部屋で3日から1週間以内で発酵が完了します)

SCOBYを手に入れるにはいろいろな方法があります。

  1. コンブチャを醸造している友人がいれば、その方からコンブチャ(たくさんあればSCOBYも)を分けてもらう。

私はこうしてSCOBY とコンブチャをお友達に分けたりしています。

  1. 店で未殺菌のコンブチャを購入して上記のように作り出す。

あるいは、この段階を飛ばしたい場合は、

3. お店やオンラインショップでSCOBYを直接購入することもできます。

SCOBYなしでコンブチャを作ることもできるようですが、SCOBYありでいつも大満足なのでまだその方法は試したことがありません。どう変わるのか、どんな影響があるのか気になってはいるので、近々試してみたいと思ってます。

さあ、醸造の準備が整いました!

まず、私がコンブチャ醸造に使うものをご紹介します。

コンブチャの材料(約1リットルのコンブチャができます)

  • 小さなSCOBY 1個
  • コンブチャ 100ml(少し多めでも大丈夫です)
  • 脱塩素水(浄水)(カルキを抜いたお水) 750ml
  • 紅茶を淹れる用のお水 250ml
  • 砂糖 80g
  • ティーバッグ 1〜2個、または紅茶大さじ1杯(私はイングリッシュブレックファストティーを使っています)

2ℓ作りたい場合は上記の分量を2倍にします。

二次発酵用

お好みの季節のフルーツやハーブ、または100%フルーツジュース

道具

  • 2〜3リットル容量の煮沸殺菌済みガラス瓶(今回はお試しのために1ℓ作るので、2ℓ入る容器で大丈夫ですが、私のように2ℓ作りたい時のために大きめの容器があるととても便利です。)
  • 小さめの片手鍋
  • 清潔な布(チーズクロスまたは手ぬぐい)
  • ゴムバンド

二次発酵用

1リットルガラスボトル、クリップトップ付きが好ましい

ボトルに注ぐためのピッチャーや計量カップ

必要であれば漏斗

作り方

  1. 石鹸で手を洗い、清潔なタオルでしっかりと乾かします。清潔な手はコンブチャ作りの成功に不可欠です。
  2. 脱塩素水を瓶に注ぐか、用意がなければ前夜に750mlの水を沸騰させて塩素を抜きます。その後、煮沸殺菌した瓶に注ぎます。(冷めるのに時間がかかりますので前夜に準備しておくと、作業がスムーズに行えます。)
  3. 250mlの水を片手鍋で沸騰させます。沸騰したら火を止め、ティーバッグを加えて5分ほどおきます。
  4. ティーバッグを取り除き、砂糖を加えて溶かします。
  5. 砂糖が完全に溶けたら、2の瓶に加えます。
  6. 瓶の中の液体が熱い場合、コンブチャとSCOBYを加える前に、39℃以下に冷めるのを待ちます。それ以上だと微生物が健康に生きるには熱すぎるからです。温度計がない場合は、室温まで冷めるのを待ちます。
  7. 液体が冷めたら、SCOBYとコンブチャを加えます。
  8. 瓶の口を清潔な布で覆い、ゴムバンドで固定して虫やほこりの侵入を防ぎます。
  9. 直射日光の当たらない場所に置き、室温にもよりますが7〜10日間待ちます。

愛知県の実家でコンブチャを作っている母曰く、日本の夏では28℃の部屋で3日から1週間以内で発酵が完了することもあるそうです。

糠漬けのお隣に置いてあります。

私は通常、キッチンのカウンターに置いています。発酵の過程でコンブチャの状態を確認する必要がありますが、布を頻繁に取りすぎると、ほこりや不必要なバクテリアが瓶に入り失敗する可能性がありますので、横から見て、うまく発酵しているか、カビが生えていないかを確認してください。

二次発酵の準備ができたかを知る方法

こちらは私がいつも作っている2ℓ分のコンブチャです。
こちらは私がいつも作っている2ℓ分のコンブチャです。

私は通常、コンブチャを7日間ほど発酵させます。

いい頃合いになってくると、細かい泡が上に上がってくるのが見えて、少し酢のような匂いがします。

一番簡単な方法は、味見することです。より酸味の強い味を好む人もいれば、もう少しマイルドなのが好きな人もいるでしょう。

例えば、私が前回作ったのはわずかに酢のような匂いがあり、瓶の横から見ていてシュワシュワと細かな泡が上がっていくのが見えました。細かな泡は2次発酵の1、2日前頃から見えていましたが、そこからもう少し発酵を進めて、この時で作りはじめてから大体8日で二次発酵へ進みました。

基本的に、私の夫はコンブチャがあまり好きではないのですが、その時二次発酵に進むには絶好のタイミングだったようで、庭で採れたラズベリーを入れたコンブチャはとても飲みやすく、彼からもすごく好評でした。

SCOBYに何かもこもこしたものが付いている?

最初、私もコンブチャを作り始めた頃、SCOBYの白い表面を見てドキッとしましたが、調べた結果カビではありませんでした。

大体コンブチャに現れるカビはふわふわしていて、そのコンブチャは破棄してやり直さないといけなくなってしまうので絶対に避けたい。

これを防ぐには、必ず器具を煮沸消毒し、適切なpHレベルを確保するために十分な量のコンブチャを入れましょう。少ないとどうしても失敗しやすくなる様です。

このレシピで作って以来、私のコンブチャにカビが生えたことはありません。私が心配になってしまった白い表面は発酵の健康な証拠でした。SCOBYに少し心配になってしまうような物が付いていたりして(しかも大体悪くないもの)心配になるかも知れないので、ネットで実際のコンブチャのカビの画像を見ておくと判断がしやすいかと思います。

私のSCOBYが浮いてないのはなぜ?

私にもこれが起こりました。私が使ったSCOBYはまだ若くて薄く、二酸化炭素を生成するのに十分な酵母とバクテリアがなかったようです。

でも発酵は通常通り進み、SCOBYも浮いてきて、心配する必要はありませんでした。

まあ私は発酵が進んでいくまで、少し心配で、ソワソワしながらずっと気にはしていました笑。三日ぐらい経った頃にSCOBYの層の間に小さな泡が見られるようになり、浮いてきました。さらに新しい層のSCOBYもできて来ていました。

三日ぐらい経った頃にSCOBYの層の間に小さな泡が見られるようになり、浮いてきました。さらに新しい層のSCOBYもできて来ていました。
三日ぐらい経った頃にSCOBYの層の間に小さな泡が見られるようになり、浮いてきました。さらに新しい層のSCOBYもできて来ていました。

楽しい二次発酵

個人的に二次発酵はすごく楽しいと思います。コンブチャに合うと思うフルーツを入れて、二次発酵成功時の風味とボトルを開けた時のプシュッという音と上がってくるシュワシュワを見るのが嬉しくてたまりません。

私は大体この1ℓのボトルにラズベリーだと50gほど入れています。
私は大体この1ℓのボトルにラズベリーだと50gほど入れています。

二次発酵もとても簡単です。洗って余分な水気を拭き取ったフルーツ(冷凍でもジュースでも可)を滅菌したクリップトップの付いたボトルに入れ、コンブチャを注ぎ、蓋を閉じます。

室温で2〜3日間放置します。

飲む前に冷蔵庫でしっかり冷やして飲むのがおすすめです。

二次発酵後のボトルを開ける際には、溢れ出る恐れがあるので、蓋を抑えながらゆっくりボトル内のガスを抜きながら開けましょう。

冷蔵庫に保管し、1ヶ月以内に消費してください。冷蔵庫内でも発酵はゆっくりですが進みます。

重要:次のスターター液として使用するために、SCOBYと次回作る時のために十分なコンブチャを煮沸殺菌したガラス瓶に必ずとっておいてください。

二次発酵の仕組みですが、コンブチャに含まれる酵母がフルーツから砂糖を取り込み、ガスを生成することでシュワシュワになります。お砂糖を入れる一次発酵と同じ論理ですね。

初めて作ったときは、自宅にフルーツが全くなく、冷蔵庫にリンゴジュースしかありませんでした。それでもうまくいきましたが、今は夏なので庭で収穫したフルーツを使っています。

今年の夏は庭にラズベリーがたくさんできたので、コンブチャに入れました(夫が大のラズベリー好きなので)

このラズベリーを入れたコンブチャが信じられないほど美味しかったんです。これまでで最高でした!

味だけでなく、美しいラズベリーの色と風味になって、私たちの夏の新しい必需品になりました。ブルーベリーやブラックベリーもすごく綺麗な色を出してくれます。

次の生産までSCOBYを保存する方法

二次発酵のところに書いたように、次のコンブチャ作りのためにSCOBYと十分な量のコンブチャをとっておく必要があります。

前回の醸造でSCOBYが大きくなったことで、もう少し多く作れるようになるので、私は通常200mlから300mlを保存します。

保存をせずにすぐに新しいコンブチャを作るもよし、少し休憩のため上記のようにとっておいて、数週間後にまた作りたい場合でも、問題ありません。

SCOBYとコンブチャを煮沸殺菌したガラス瓶に入れ、蓋を閉めて冷蔵庫に保管するだけです。

私のSCOBYはラッキーなことに冷蔵庫に2ヶ月間保管しても問題なく元気なので、1ヶ月間は確実に保存できます。使用したいときは、室温に戻してから使ってください。

浸漬後に残ったフルーツのおいしい利用法

風味付けしたコンブチャから出た、コンブチャに浸されたフルーツを食べてもいいのですが、私は、フルーツ(この時はラズベリーとレッドカラントでした)を容器に入れ、酢、蜂蜜、ひとつまみの塩、油を加えてフルーティーなドレッシングを作ることにしました。

このレシピは、味と、きれいな色の両方で大満足なドレッシングになりました。

コンブチャフルーツドレッシングのレシピ

材料

  • コンブチャフルーツを大さじ2杯ほど。
  • 酢大さじ1杯
  • 塩ひとつまみ
  • 蜂蜜またはメープルシロップ小さじ1杯
  • 油大さじ1杯

使用するフルーツに応じて、異なる種類の酢、甘味料、または油を使用してみてください。

私の場合、フルーツはベリーだったので、ラズベリー酢、蜂蜜、黄色の鮮やかなコールドプレス菜種油を使用しました。

作り方

全ての材料を容器に入れ、ハンドブレンダーで滑らかになるまで混ぜます。

全ての材料を容器に入れ、ハンドブレンダーで滑らかになるまで混ぜます。

このドレッシングをラズベリーとレッドカラントで作ったところ、細かくなった種の口当たりがあまり良くなかったので、茶漉しなどで濾すことをお勧めします。

まだ試していませんが、二次発酵の時フルーツをピューレにしてからコンブチャに加えれば、より簡単に摂取できるのでいいかも知れません。

私の母も自家製コンブチャを楽しんでおり、コンブチャの栄養素を無駄なく摂るためにこのフルーツを毎朝のスムージーに入れています。

最後に

世の中にはたくさんのコンブチャのレシピがあって、私も色々試しましたが、自分の好きな配合を見つけるのは楽しいですね。

このレシピは今や私の定番で、私の周りの人もを虜にする素晴らしいコンブチャができました!👏

このレシピを試してみたり、質問がある場合は、インスタグラムPinterestFacebookページのコメントまたはDMでお知らせください。皆さんの作ったコンブチャを見るのを楽しみにしています!

今回のように日本語でのレシピやブログのご要望があれば載せていくので、よろしければニュースレター(英語)の無料購読もよろしくお願いします。